ポリエステルベルトの離型コーティング

ポリエステルベルトの離型コーティング

2016年06月16日(木)11:49 AM

食品業界のパン製造ラインからのご依頼です。
前回に続きまして、メッシュベルト(ポリエステルベースのベルト)の離型コーティングです。
メッシュベルトを通して水分を蒸発させる役目と搬送になります。
水分を蒸発させるには、メッシュの目を詰まらさないようにすることが目的です。パン粉等はでんぷん質ですので、シリコーン樹脂の特性の撥水性・防汚性の優れたガンマークリヤーAEでコーティングしました。
塗装仕様は、プライマーなしでガンマークリヤーAEの2回塗りで仕上げました。
撥水性が優れているため、水を含有している物質であればクリヤーAEの本来の性能ではじき、さらに乾燥したときにパラパラになってでんぷん層が外れます。
使用していくうちに、摩擦によって徐々に塗膜が削れて性能が落ちていきます。よって、離型コーティング剤(クリヤーAE)を施工するコストと、施工することによる利便性(掃除が簡単、製品へのごみの付着等が少なくなります)・耐久性のバランスになると思います。メッシュベルト自体が価格が安いものですので、どの程度コストが認められるかで実際のラインに使用されるかが決まるように思います。
前回にもこのようなメッシュベルトの加工を依頼されたのですが、商社経由の仕事で詳しいことをお聞きしてもなかなか要領を得なかったです。商社の担当者がそのベルトの使用方法・使用目的等が明確にお分かりかどうか、または、ユーザーのご希望で本当のことが言えなかったのかもしれません。
ただこのことによって、私の判断でコーティングの目的を推測するしかなく、その判断が正しかったのかどうかはわかりません。しかし、パンの製造ラインのことから類推すると、間違いだったのかと思います。このようにコーティング目的がはっきりとわからない場合は、お客様にもご迷惑が掛かります。
結果が違った方向に向かい、開発目的に達することはありません。ご依頼場合は、なるべく目的をはっきりとお伝えいただければありがたいです。

(開発方針)
当社は少人数で運営していますので、最短距離で目的に到達したいと思っています。公的試験機関・大手企業さんとのコラボレーション等では、かなり実験をあらゆる範囲で繰り返し・繰り返し行いますので、膨大な労力とコストがかかるように思います。当社は計画段階で可能性の低い物はほとんど外して、可能性の高い物2~3点に絞り込んで実験していく方法をとっています。(何も他社さんのやり方を否定しているのではなく、会社の規模に合わせた方法をとっているだけです。時々他社さんのようなやり方が羨ましいと思う時が多々あります。このような方法が正解の場合もありますが、物理的に当社では不可能です。)上記のような考え方ご理解の上、お電話・メール等をお願いいたします。



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