シリコーンの概論

シリコーンの概論

2016年07月07日(木)8:09 PM

シリコーン(シリコーン樹脂も含む)について、説明したいと思います。(概論からです)
現在、シリコンとシリコーンを一般には混同されていることが多いです。
シリコンとは金属ケイ素であり、シリコーンは工業的において使われている名称です。
シリコーン(有機ケイ素化合物)を総称するものです。 
シリコーンはポリオルガノシロキサン(R2SiO)nを示す場合が多いです。
1940年代に入ってから、アメリカで本格的にオルガノポリシロキサンの工業的生産が開始されました。
シリコーンと呼ばれるものは、本来、無機化合物のSi-O結合と有機基からなるオルガノシロキサンであり、Si-Oを骨格にもつ高分子化合物が、オルガノシロキサン(R2SiO)nです。
シリコーンはSi-Oの骨格を持つという点では、C-Cの結合をもつ有機化合物とは、明確な構造上の差があります。このメインチェインの違いによって化学的な性格が表れてきます。

Si-Oの結合は、C-O結合とは、原子間結合距離・結合エネルギー・結合角が違うことがわかっています。
 原子間結合距離; Si-O:1.76Å、              C-O:1.64Å
 結合エネルギー;   Si-O:108㎉/mol,          C-O:85.5㎉/mol 
   結合角    ;  Si-O-Si:130~160°      C-O-C:110°
Si-Oの結合は、イオン結合の度合いが多いことで知られています。
 Si-O:50%、 C-O:22%
 電気陰性度の差(Si:1.90,C:2.55)に表れてきます。(分子内の原子が電子を引き寄せる強さの尺度)

Si-O-Siの結合において、結合角が160°と仮定すると、この時にのポリシロキサン鎖の平均的広がりが大きい、つまり屈曲性が大きいということになります。
シリコーンの代表的ポリマーであるポリジメチルシロキサンは、他の高分子に比べて、回転の自由度が高く、分子鎖の拡がりも大きい。
Si-O結合の原子間距離(1.64Å)がC-C結合(1.54Å)より大きいことによる。

ポリシロキサン鎖、特にポリジメチルシロキサン鎖のもろもろの性質から、分子間力は他の有機高分子鎖に比べると一般的には小さいといわれています。
ポリシロキサンの主鎖中の各結合の周りの回転ポテンシャルが低いこと、分子鎖の拡がりが大きく、分子間の規則的配列が取りにくい、分子間引力が小さいことが原因と思われます。



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