室温硬化型(RTV)シリコーンゴムの概論

室温硬化型(RTV)シリコーンゴムの概論

2016年09月23日(金)7:25 PM

  室温硬化型シリコーンゴム
 熱加硫型シリコーンゴムは、加硫時に加硫剤の分解温度以上に加熱してはじめてゴム弾性が得られるタイプの
 シリコーンゴムですが、これに対して室温硬化型シリコーンゴム(RTVシリコーンゴム)は、室温で硬化反応
 が進行してゴム弾性体となるシリコーンゴムです。
 室温硬化型シリコーンゴムは硬化前は、液体あるいはペースト状をしています。硬化反応には、空気中の湿気
 (水分)によって進むもの、あるいは主剤に硬化剤を加えることによって直ちに始まるものがありますので、
 キャスティング、ポッテイング、シーリング、エンキャプシュレーションなどの成形加工が容易に行えます。
 また、量産などの作業工程で使用しやすいように、硬化剤を加えた後、常温でのポットライフが長く、使用時
 に熱加硫型シリコーンゴムほどの高温を必要とせず、100~150℃に加熱することによって急速に硬化が進む
 タイプもあり、これをLTVシリコーンゴムと呼んで、RTVシリコーンゴムと区別することもあります。
 RTVシリコーンゴムは硬化の機構がいろいろあり、それぞれが特性上あるいは作業上特性を備えており、適応
 分野によってさまざまな選択が可能です。硬化後のゴムの性質はいずれの場合も耐候性・耐熱性・耐久性・耐
 寒性・耐湿性・耐薬品性・難燃性・電気特性などに優れており、使用方法の簡便さとあいまって、著しく応用
 分野が広がっています。特に新技術の開発が活発な電気電子分野はもちろんのこと、自動車・建設・工芸・医
 療などのあらゆる分野での多種多様なようとに適したRTVシリコーンゴムが開発されています。
①室温硬化型シリコーンゴムの分類
 RTVシリコーンゴムは、製品形態から見た場合、1液型と2液型に分類されます。また、硬化機構からみた場
 合には大別すると、縮合型と付加型に分類されます。縮合型は種々の反応形式に分けることができます。
 最近では従来の硬化反応形式とは異なった硬化方法も考慮されており、紫外線硬化もその一つです。
 1液型‥‥チューブ・カートリッジなどの容器に詰めた形で販売されており、押し出すだけで使用できます。
      縮合型‥‥空気中の湿気によって縮合反応が起こり、硬化が進みます。
           脱アルコール・脱オキシム・脱酢酸・その他があります。
      付加型‥‥付加反応により硬化が進み、硬化時に副成物が発生しません。
           付加型(加熱硬化が必要)
 2液型‥‥使用する前に主剤と硬化剤を混合し、必要に応じて脱泡して使用します。
      縮合型‥‥空気中の湿気によって縮合反応が起こり、硬化が進みます。
           脱アルコール型・脱ヒドロキシルアミン・脱水素・その他があります。
      付加型‥‥付加反応により硬化が進み、硬化時の副生物が発生しません。
           付加型(室温硬化・加熱硬化ともにあります)  
 



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